【レビュー】iPhoneアプリ連携で使うGarmin HUDを使ってみた

ガーミンが6月25日に全国アップルストアの店舗、およびオンラインショップで発売する予定のヘッドアップディスプレイ「Garmin HUD」(21,800円/税込)。テスト機を借りることができたので、さっそく使ってみた。


Garmin HUDはiPhoneアプリとセットで使う
まず、このGarmin HUDだが、単独では動かない。iPhoneアプリと連携して初めて、ヘッドアップディスプレイとして機能する。したがってiPhoneユーザー専用だ。

専用のiPhoneアプリ「マップルナビ for HUD」はGarmin HUDを購入することで、無料でダウンロード可能。昭文社の道路地図「スーパーマップル」と同じデータベースを使い、まっぷるマガジンなど、昭文社の電子ガイドブックとの連携ができるし、グルメサイト「ぐるなび」とも連携する。同社がリリースしているマップルナビK(1,400円)同様、地図データダウンロード型のアプリで、アプリのデータ量は2.4GBと重いが、通信が必要なオンライン型と異なり、ポータブルナビ同様に通信圏外でも使えるという安心感がある。なおアプリの地図データは、Garmin HUDの購入から2年間、年2回の無償更新ができる。
マップルナビ for HUDはGarmin HUD購入者に無償提供
Garmin HUDの設置は簡単。まず箱からGarmin HUDの本体を出したら、透明のスクリーンをはめ込む。次にクルマに乗り込んで、運転席の前のダッシュボード上のみやすい位置に、Garmin HUDを置いて電源コードを差し込む。そして電源コードの反対側はシガーソケットに差し込んでおく。Garmin HUD本体の台座はやや粘着性の滑り止めが付いているので、置くだけでOK。普通に走行している分にはズレたりはがれて飛んできたりすることは無い。また台座自体、柔軟性があり、ダッシュボードが曲面でもフィットするのがいい。
透明スクリーンははめ込み式。
シガーソケットはUSB装備。
台座は柔軟性があり曲面にもフィット。
iPhoneとの連携はBluetoothで。Garmin HUDの電源を入れた状態で、iPhoneの設定からBluetoothをONにすれば、じきにGarmin HUDが現れるので、これにタッチしてペアリング。準備はこれだけだ。

では、目的地を設定してルート走行してみる。基本的に、道案内はiPhoneアプリが主。音声案内も地図表示&交差点拡大表示もiPhone側で行う。Garmin HUDはその補助役だ。

次に曲がる方向、到着予想時刻、車速を表示。
だが、Garmin HUDがあるだけで、ドライブ時の安心感は格段に違う。なんといっても少ない視線移動で案内情報を確認できるのがいい。とくにスマホは画面が小さいから、瞬時に画面情報を確認するのが難しい面もあるし、クルマによっては画面がよく見える位置にスマホをセットできるとは限らない。その点、Garmin HUDなら常にドライバーの前にあって、案内情報を提供してくれる。

Garmin HUDに表示される情報は、次に曲がる方向を示す矢印、曲がるポイントまでの距離、到着予想時刻、クルマのスピード、走行レーン情報とシンプルなものだが、慣れてくると、Garmin HUDの表示と音声案内だけで安全にドライブが可能だ。また、思いがけず役立つのがスピード表示。クルマのメーターを見るより少ない視線移動でスピードを確認できる。Garmin HUDに表示されるスピードは、クルマのメーターよりもわずかに低い数字だが、クルマのスピードメーターは実速よりも高めに表示されがちだから、実際の車速はGarmin HUDの表示が近いかもしれない。
矢印の下は推奨走行レーン。曲がる交差点までの距離も表示。
取材当日は梅雨入り直前の晴れた日だったが、表示は日中でもみやすい。Garmin HUDを見た視線の先が前車の白いナンバーだったり、路面の白線だったりすると多少見えにくいこともあるが、それでも見えないほどではない。視野角は広く、助手席からも表示が確認できるほどだ。だから、透明スクリーンははめ込み式で角度調整ができないのだが、まったく問題はない。

GPSだけで測位を行うiPhoneのナビアプリだから、トンネル内などGPSの電波をキャッチできない場所で正確な測位ができないという弱点はあるし、欲をいうなら渋滞情報を表示して欲しかったりもするのだが、その辺を知ったうえで、カーナビはスマホのナビアプリで十分という人には、イチオシのアイテムだ。

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